神経性頻尿、心因性頻尿とは

神経性頻尿とは、頻尿の一種で、身体の器官に原因がないものを指します。10代後半、あるいは、40代の更年期に差し掛かった女性に多く見られる病気です。厳密に区別すれば、さらに心因性頻尿と本態性頻尿に分類することが出来ます。

心因性頻尿とは、心理的要因の影響で症状が現れている頻尿のことです。日本では“心身症”の一種とされています。膀胱は、心臓や脳と並んで、心理面からの影響を受けやすい臓器であるため、頻尿、残尿感、尿閉の症状がよく現れます。

一方、本態性頻尿とは、心理的要因の影響も見付からず、原因が全く分からない頻尿を指します。

一般に、心因性頻尿を指して「神経性頻尿」と呼ぶことも多く、さらにその中に本態性頻尿を含んでいる場合もあります。このような混同が起きている理由の一つには、後述するように、“心身症”を含むこういった分野での医療のあり方が、まだ確立していない、という背景があります。

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神経性頻尿の症状と原因

神経性頻尿の場合、尿失禁(尿漏れ)や睡眠中の頻尿はありません。起きている間だけの頻尿です。その点で他の頻尿とは違いがあります。起きている間でも、リラックスしている時や何かに集中している時には、普通、尿意を感じません。

身体の器官にはっきりとした異常が見られないので、原因は分かりません。心因性頻尿の場合には、ストレスや不安による心理的緊張が誘因として考えられています。

ストレスや不安には、人間関係の問題、家庭の問題、仕事の問題など、人によって様々な原因がありますが、その全てが含まれます。

また、「予期不安」と呼ばれる不安も含まれます。これは、過去に、トイレに行きたいのにトイレに行くことが出来ず、辛い目に遭った経験から、また再び同じ目に遭う可能性を考えて不安になることを意味していて、その結果、身体が緊張し、条件反射的に尿意を催したり、症状を悪化させたりすることもあります。

神経性頻尿の検査と診断

神経性頻尿を治療してもらうために病院(主に泌尿器科)に行くと、まず検査が行なわれます。これは、頻尿の原因が他の病気である可能性を取り除くためです。

脳・脊髄・末梢神経のどこかに異常が生じたために脳から膀胱や尿道への指令が正常に伝達できなくなった状態を指す神経因性膀胱になっていれば、脳血管疾患(脳出血、脳梗塞)、神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症など)、脱髄疾患(多発性硬化症、ギランバレー症候群など)、糖尿病性神経障害、脳腫瘍などの深刻な病気にかかっている可能性があります。しかし、これらを原因とする頻尿ならば、検査ですぐに分かります。

症状が頻尿だけで、痛みや血尿、尿失禁(尿漏れ)、残尿など他の症状が無く、尿検査や膀胱容量の検査などでも異常が見られず、1日の尿量も正常範囲内であれば、婦人科に特有の病気やそれ以外の病気である可能性もゼロで、神経性頻尿と診断されることになります。

カウンセリングによる心因性頻尿(神経性頻尿)の治療

神経性頻尿(心因性頻尿)の治療は、主にカウンセリングなどの精神的アプローチによって行なわれます。

泌尿器科や婦人科でのカウンセリングについては、残念ながら、患者側の不満が多く報告されているのが現状です。例えば、身体的な病気は無いので、心理的な問題であることを患者自身が自覚して解決するほかない、といった説明が行なわれることもあります。
また、「心の持ち方を変えるように。」「積極的にトイレに行きましょう。」「頻尿のことを気にしないでリラックスしましょう。」といった、敢えて言えば、近所の知人でも言えそうなアドバイスをされる場合もあります。

そして、しばしば、膀胱訓練、骨盤底筋体操、排尿日誌などを勧められます。

とは言え、そのようなカウンセリングでも、安心できれば頻尿が改善する場合もありますし、悩みを医師に聞いてもらうだけで治ることもあります。

しかし、それでは改善しない場合、心療内科や精神科の医師の指導や治療を受ける必要がある、と言われることがあります。患者自身が心療内科や精神科を受診することを選ぶ場合も多いです。

心療内科でのカウンセリングは、患者の話をしっかり聞いて、頻尿の原因を突き止め、同時に、患者の性格や考え方、患者を取り巻く環境などを把握しながら、その原因を取り除く方法を考える、という狙いを持っています。

不安やストレスを溜め込みやすい考え方や捉え方の傾向を改善することによって、心因性頻尿の原因を根本的に解消しようとする治療法で、「認知行動療法」と呼ばれています。

医師と患者の十分なコミュニケーションが極めて大切だ、と言えますが、医師自身の認識、知識、経験、あるいは、心療内科でのカウンセリングについての理解や態度も様々です。ですから、医師選びが極めて重要です。

神経性頻尿の補助的な薬物療法

補助的に薬物を用いる場合には、抗不安薬、抗うつ薬、抗コリン薬などの薬材を用います。抗不安薬とは、不安を取り除く薬を指しています。

抗うつ薬は、うつ病のように日常生活に著しく支障をきたしたり苦痛をもたらしたりするほど気分や感情が大きく変わる状態に対して用いられる薬です。抗コリン薬は、膀胱の筋肉を緩めて尿をたくさん溜めるようにする薬です。

神経性頻尿治療の現状

それにしても、冒頭で触れたように、神経性頻尿を含むこういった分野での医療のあり方はまだ確立していません。例えば、心身症を扱うとされる“心療内科”と精神障害(精神疾患)を扱うとされる“精神科”の区別、心身症と精神障害(精神疾患)の区別は曖昧です。ですから、治療もそれぞれの診療科によってまちまちの状態です。

治療の一環として行なわれる医師のカウンセリング方法にしても、医療と無関係のコーチングやコンサルティング、あるいは、教育指導、悩み相談などの方法と、特別に異なるものではありません。医療技術としての特異性はありません。

とは言え、いずれにしても、ご自分の症状を改善して、日常生活の不都合を無くす、という観点から言えば、診療科や治療方法などの呼び名がどうであれ、患者に寄り添い、患者の話に先入観を持たずに耳を傾け、規制の枠組みに囚われずに患者の個々別々の実情に沿って対策を考えてくれる医師に出会えることが一番です。

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