原因を特定し、その病気を治療することが、頻尿を治すことになる

頻尿が生じる原因は一つではありません。ですから、原因となる病気を特定し、その病気を治療することが、頻尿を治すことになります。そこで、病院ではまず、治療の前に検査が行なわれます。

病院での検査は、問診から始まります。問診ではどんなことを聞かれるのでしょうか?最も聞かれるのは次の五つです。

・いつから
・どんな症状で
・どのように困っているか
・1日の排尿回数
・服用中の薬があるか?-あるなら実物を持参すると良い!

その他には、排尿の問題が生活上のどんな面に影響を及ぼしているか、人間関係や精神状態にも支障をきたしているか、自分の症状についてどう感じているか、といったことが聞かれます。

また、今までにかかった病気と時期についても聞かれるでしょう。とは言っても、どんな病気のことを考えれば良いでしょうか?

風邪なら大抵の人はひいたことがあるでしょうし、大きな病気と言うとインフルエンザとかおたふくかぜとか・・・雲をつかむような感じがするかも知れません。

排尿トラブルで病院に行く場合、特に聞かれるのは、ズバリ、次のような病気です!

・脳血管の病気
・神経の病気
・直腸の病気
・糖尿病
・高血圧
・腎臓病
・心臓病
・泌尿器科の病気
・整形外科の病気

手術を受けた経験があるなら、それを伝えるのもお忘れなく!

尿検査では、尿を採取して、顕微鏡や分析器を使って、様々な面から検査が行なわれます。その結果分かることは非常に多岐にわたっていますが、例えば、次のようなことが分かります。

尿の中に細菌が見付かったなら、“尿細菌培養検査”が行なわれて、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎など、頻尿の原因になっている病気を特定でき、有効な抗菌薬まで分かります。

赤血球が見付かったなら、癌の可能性があるので、超音波検査や内視鏡検査(内視鏡を膀胱に挿入する検査です。)で癌細胞の有無を確かめます。尿路結石なども疑われます。

白血球が見付かったなら、白血球が細菌の侵入に対抗して集まってきた証拠ですから、細菌感染や炎症がある、と判断されます。

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治療に入る前に大切な“インフォームド・コンセント”

検査で頻尿が生じている原因が特定できたら、いよいよその病気の治療に入り、頻尿解消を図ることになります。

しかし、治療に入る前に、一つ注意点があります。“インフォームド・コンセント”という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?

これは、近年一般に非常に強調されている概念で、医師が自分の判断した最適な治療法を患者に押し付けるのではなく、他の治療法についてもメリット・デメリットを説明した上で自分が最適だと判断した治療法を提案し、患者が十分納得し同意してから治療に入る、という手順を意味しています。

良心的な医師なら“インフォームド・コンセント”の重要性を十分理解しているので、治療法を決める時には、医師と率直に話し合い、納得してから治療に入るようになさってください。

どの程度の治療成果を望んでいるか、副作用や後遺症の可能性はどうか、入院期間や治療費用はどのくらいか、などなど、何でも遠慮なく話し合うことが出来ます。

前立腺肥大症が原因の場合

いよいよ治療に入りますが、頻尿では、男性なら前立腺肥大症が原因である場合が最も多いです。そこで、病院での一般的な前立腺肥大症の治療を説明します。

通例、治療の第一選択肢は薬物療法です。身体への負担が最も少ない治療法です。薬物療法の治療効果を見て、より一層有効な代替措置が必要だ、と判断されれば、他の選択肢の採用も検討されることになります。

前立腺肥大症の薬物療法で投与される代表的な薬物は、「α1受容体遮断薬」と呼ばれる内服薬です。

この薬は、元々は血圧を下げる薬として開発されましたが、前立腺肥大症の症状改善にも役立つことが分かり、最近になって、頻尿などの症状の改善にも効果があることが分かってきました。

その他、抗男性ホルモン薬も用いられます。これは、前立腺の細胞を増殖させて肥大させている“テストステロン”という男性ホルモンの作用を抑制して、前立腺の肥大を抑えたり小さくしたりする薬です。

薬物療法で対応できない場合、採用されるのは手術です。手術と言えば、かつては開腹手術しかありませんでしたが、現在では、開腹手術よりも治療効果は小さいとは言え、身体への負担が比較的小さく、入院期間が圧倒的に短い(したがって治療費用も少ない)“低侵襲手術”が主流です。

“低侵襲手術”とは、体表にメスを入れず、尿道から内視鏡を挿入して、電気メスやレーザー光線で前立腺の肥大部分を取り除く、という手術です。この手術なら、場合によっては日帰りで行なえることもあります。

肥大が非常に進行している場合、開腹手術を採ることになります。開腹手術の利点は、再発の恐れがほとんど無くなる、ということです。また、前立腺肥大症の治療法としては、これら以外に“温熱療法”などの物理療法もあります。

膀胱炎や過活動膀胱が原因の場合

女性の頻尿の原因として最も多いのは、膀胱炎です。病院での一般的な膀胱炎の治療は、薬物療法です。医師に処方される抗生物質(ニューキノロン系抗菌薬など)を指示通りに服用すれば、完治するのは難しいことではありません。

ただし、自覚症状が消えたからといって、治療を止めてしまうと再発しやすくなるので、医師から完治したと告げられるまで服用する必要があります。

頻尿の原因が過活動膀胱である場合にも、薬物療法が採られます。用いる薬は、主に抗コリン薬(塩酸フラボキサート、塩酸プロピベリン、塩酸オキシブチニンなど)です。

この薬は、膀胱の筋肉を支配している副交感神経の末端から出る“アセチルコリン”という物質の、膀胱の筋肉を縮める働きを抑えて、膀胱の筋肉を緩めます。

過活動膀胱という概念は比較的新しいため、当初はその治療専用の薬が無く、抗コリン薬が用いられてきましたが、2006年6月に“過活動膀胱治療薬”として初めて、酒石酸トルテロジン、コハク酸ソリフェナシンが承認されました。

その後、2007年6月にはイミダフェナシン、2011年9月にはミラベグロン、2013年2月にはフェソテロジンフマル酸塩が承認されています。これらの薬も、抗コリン薬の一種として、医師から処方されることがあります。

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