頻尿で残尿感があるときの解消法

頻尿と残尿感は、しばしばセットで発症します。と言うのは、この二つの状態は、どちらも、膀胱にどれだけ尿が溜まっているか、ということとは関係無く、本人がそれをただ感じることによって発症する状態だからです。

頻尿は、必ずしも膀胱に尿が大量に溜まるから発症するのではなく、溜まった尿量がそれほど多くなくても、「トイレに行きたい。」という排尿欲求がたびたび起きれば、「頻尿」が成立します。

残尿感はなおさらで、実際に膀胱に尿が残っているかどうかに関わり無く、残っているように感じれば、その状態を「残尿感」と呼びます。

ですから、精神的なストレスが膀胱辺りに響いた、とか、水の飲み過ぎや汗のかき過ぎなど体内の水分補給・排出のリズムが乱れた、とかの理由で頻尿と残尿感がセットで現れることもあります。

そういう場合は、そのリズムを取り戻せば良いかも知れません。もちろん、体内の水分のバランスには計り知れない面もあるので、安直な考えは禁物です。

それにしても、自分がまだ気付いていない何らかの病気が原因で、膀胱から脳に間違った信号が送られる結果、膀胱の状態について正しくない感覚を覚えることになり、頻尿と残尿感、さらには他の排尿障害を発症する場合もあります。

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前立腺肥大症の場合

その一例は、男性特有の病気である前立腺肥大症です。この病気は、男性が頻尿や残尿感などの排尿障害に悩まされる時に、まず最初に疑われる病気の一つです。ここでは、前立腺肥大症の進行過程に沿って、頻尿と残尿感を同時に発症する場合を確認します。

前立腺肥大症の症状の進行過程には、「第1期、膀胱刺激期」「第2期、残尿発生期」「第3期、慢性尿閉塞期」という三つの病期があります。

第1期(膀胱刺激期)での症状は「刺激症状」と呼ばれています。前立腺が肥大し始め、膀胱や尿道を圧迫し刺激し始める段階です。

この病期には、トイレが近くなり、行ってもまたすぐに行きたくなり、トイレに行く回数が増えます。つまり、頻尿です。特に夜間に何度もトイレに行きたくなって目が覚めます。

泌尿器科での診察では、夜間に3回以上の頻尿が見られると、前立腺肥大症の初期症状と考えます。

人によっては、この段階で、トイレに着く前に尿が漏れてしまう尿失禁を起こしたり、尿道や股間の不快感、圧迫感を感じたり、排尿に多少時間が掛かったりすることもあります。

とは言え、全体としては自覚症状は弱く、泌尿器科に行く必要を感じる人も少ない段階です。

第1期で泌尿器科を受診すれば、治療は、生活指導、薬物療法、経過観察で、比較的早く回復できます。

第2期(残尿発生期)での症状は「閉塞症状」と呼ばれています。第1期よりも前立腺が肥大し、前立腺に周囲をぐるりと囲まれている尿道がさらに圧迫されて細くなっています。

このため、尿が出づらい「排尿困難」と呼ばれる症状が起きます。排尿に掛かる時間も長くなります。尿意があっても尿は出ず、お腹に力を入れないと出なかったり、出ていた尿が途中で止まったり、逆にちょろちょろとなかなか終わらなかったりすることもあります。

さらに、排尿後もまだ尿が残っている感じ、つまり、「残尿感」が起こります。残尿感は次第に感じだけではすまなくなり、実際に残尿が出現するようになっていきます。終わったと思ったら、残尿が尿漏れ気味に出てくることもあります。

そして、第1期には夜間にのみ顕著だった頻尿が、日中にもはっきりと現れるようになります。つまり、第2期に、頻尿と残尿感が同時に明確な形で現れることになります。前立腺関連の病気にかかっているらしい、と自覚するようにもなります。

この病期での治療は、薬物治療が中心で、残尿が少ない頃合いに主に「α1受容体遮断薬」と呼ばれる内服薬を投与することによって行なわれます。

この薬は、前立腺を弛緩させ、前立腺の尿道に対する圧迫を軽減する効果があります。また、最近になって、この薬には、頻尿などの症状の改善にも効果があることが分かってきています。

第3期(慢性尿閉期)での症状は「尿閉」と呼ばれています。第2期の「排尿困難」がさらに進行し、遂に排尿できなくなります。尿を出せないのに、膀胱には尿が溜まるため、溢れ出ることになり、尿失禁を起こしてしまいます。

膀胱は大量の尿を溜め込んで伸び切っており、下腹部はパンパンになります。

最早、一刻も早く泌尿器科を受診するべき状態です。さもないと、腎不全を併発する恐れもあります。治療も、薬物治療では事足りず、手術を考えることになります。

膀胱炎の場合

別の一例は、女性に多い病気である膀胱炎です。男女共にかかる可能性のある病気ではありますが、実際にかかっているのは女性の方が圧倒的に多いです。

これは、男女の身体の構造の違いによります。膀胱炎の原因菌は大抵大腸菌ですが、男性の身体よりも女性の身体の方が、肛門と尿道口の位置が近く、しかも、尿道の長さも短く、尿道口に入り込んだ原因菌が膀胱に達しやすいのが原因です。

膀胱炎の症状の進行過程には、第1期から第4期まで、四つの病期があります。

膀胱炎の場合も、前立腺肥大症の場合と同様に、第1期に頻尿の症状が見られます。また、1回の排尿量が少なくなることもあり、さらに、排尿後にすっきりしない不快感が残ることもあります。

この不快感を残尿感と感じる場合もあり、早くも頻尿と残尿感がセットで現れます。

第2期には、排尿の終わりから排尿後にかけて、つーんと染みるような違和感を感じ始めます。この違和感は、症状が進行するにつれて、痛みに変わっていきます。これは、排尿により膀胱が縮まる時に、膀胱の炎症が刺激されるために起きる痛みです。

第3期には、頻尿と残尿感と排尿痛が、どれも強くなってきます。そして、第4期には、排尿時の痛みが焼け付くようで、排尿直後にも残尿感が強過ぎてトイレから出られなくなることもあります。尿が白濁し、血尿が出ることもあります。

膀胱炎の治療法はかなり確立されていて、泌尿器科で処方される抗生物質(ニューキノロン系抗菌薬など)が極めて有効です。また、予防法も明確で、適度な水分補給と排尿を心掛けることによってかなり防げます。

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