残尿感があるときの原因とは?

残尿感とは、文字通り、おしっこをした(排尿した)後も、尿がスッキリ出切っていない、または、尿がまだ膀胱に残っている、あるいは、すぐにまたトイレに行きたくなる、といった感じがある、という症状のことです。

この時、もし膀胱に尿が残っていれば、その尿は「残尿」と呼ばれますが、実際に残尿があるかどうかは、残尿感の定義には関係ありません。残尿感とは、その字が示す通り、“残尿がある感じ”のことです。ですから、排尿後に上記のような“感じ”があれば、残尿感と見なされます。

ただ、実際には、膀胱に残尿があることは少なく、大抵は、膀胱の働きに特に問題はありません。膀胱は正常に排尿して尿を出し切っているのに、なぜか残尿があるような感じがする、という場合がほとんどです。

また、残尿感には、痛みが伴う場合と伴わない場合があります。痛みがあれば、細菌感染が疑われるので、通常病院(泌尿器科)の受診が勧められますが、痛みが無ければ、メンタル面など様々な原因が考えられますので、自分で対処できる場合もあります。

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残尿感の背後を見る

では、残尿感はどんな時によく現れるのでしょうか?これはやはり、排尿後には本来スッキリするはずなのに、それが無く、普通は無い残尿感を感じるわけですから、身体にとっては異常事態であり、大抵は背後に何らかの病気があります。

もちろん、その病気の全てが深刻であるわけではありませんが、中には深刻なものもあるので、安易に「大丈夫。」と見過ごすのではなく、用心しておくのは、自分の身体を守るために有益なことです。

早期なら治療しやすい膀胱炎

残尿感の現れ方については、何らかの炎症がはっきり出てくるのに伴って見られる場合と炎症が明らかでないのに見られる場合があります。前者の典型例は、膀胱炎です。

人体の構造上、女性の方が圧倒的にかかりやすい病気です。膀胱炎にかかると、尿意切迫感や排尿痛と共に、残尿感も現れます。

膀胱炎の原因菌としては、大腸菌、ブドウ球菌、セラチア菌、プロテウス、肺炎桿菌、腸球菌などが知られていますが、実際の所、確認されている事例の約80%は大腸菌です。

ですから、大腸菌を膀胱、あるいはその手前の尿道に入れないことが、最大の予防になります。

また、原因菌が特定できているので、泌尿器科での治療も比較的易しく、適切な抗菌薬を使った治療で、1週間もせずに症状が無くなることがほとんどです。

症状が軽ければ、水分を多めに摂っているだけで、排尿と共に原因菌が外に排出され、自然治癒する場合もあります。

とは言え、膀胱炎の再発を繰り返すようなら、膀胱結石、糖尿病、子宮筋腫、膀胱がんなど、より深刻な病気が隠れている可能性もあります。また、悪寒・高熱・腹痛がある場合には、炎症が腎臓に及んでいる可能性もあるので、ご注意下さい。

若い男性に多い前立腺炎

炎症が明らかでないのに残尿感が現れる場合の典型例としては、前立腺炎や前立腺肥大症が挙げられます。どちらも男性のみがかかる病気です。女性は前立腺が無いのでかかりません。

前立腺炎とは、尿道から前立腺に入り込んだ大腸菌、クラミジア、マイコプラズマ、腸球菌などの細菌が増殖して炎症を起こした状態のことです。

しかし、細菌感染を伴わず血行障害などが原因で起きる非細菌性前立腺炎もあるように、原因は非常に多く知られており、特定するのが難しいほどです。

また、若い男性が多く発症するため、中年以降の男性に多い前立腺肥大症と対照して語られることも多い病気です。全男性の半数が一生に一度はかかる、という説もあります。ストレスや疲労で前立腺の抵抗力が弱くなっている時にしばしば発症します。

前立腺炎で残尿感の症状が現れるのは、大抵、慢性化した時です。そうなると、なかなか完治せず、残尿感が完全に無くなるにはかなりの時間が必要になります。

治療は、一般的には、抗生物質や抗菌剤、あるいは、前立腺の腫れを取る生薬成分や抗浮腫剤などの投与によって行なわれます。

尚、前立腺炎では、残尿感は、炎症と共に現れる場合もあります。とは言え、大抵は、炎症が明らかでないのに現れ、その点で際立っています。

中年以降の男性に多い前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、前立腺を形作る細胞の数が増えて、前立腺全体が肥大化する病気です。原因はまだはっきりと解明されてはいませんが、男性ホルモンが関係していることは間違いありません。

残尿感は、前立腺が肥大し尿道を圧迫することによって、発生します。

前立腺炎とは対照的に、中年以上の男性に多く、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%に見られる、との報告もあります。とは言え、泌尿器科での治療が必要だ、と見なされるのは、全体の約25%です。

泌尿器科での治療は、主に投薬治療が行なわれ、尿を出しやすくするα1受容体遮断薬(別名:α1アドレナリン受容体遮断薬、交感神経α受容体遮断薬、アルファワンブロッカー)、男性ホルモンの作用を抑えて前立腺を小さくする5α還元酵素阻害薬や抗男性ホルモン薬(別名:抗アンドロゲン薬)、生薬(別名:植物エキス製剤)、漢方薬などが用いられます。

これらの他に、神経因性膀胱、過活動膀胱、間質性膀胱炎、女性に限ればさらに、骨盤性器脱、更年期障害、月経前症候群などを原因として、残尿感が現れることもあります。

女性の場合は特に、炎症など手掛かりとなるような症状が何も出ていないのに残尿感が現れるのは、珍しいことではありません。

残尿感の解消・予防の方法

残尿感を解消したり予防したりするために、男女共に大切な事は、適切な排尿、つまり、おしっこを我慢しないことです。我慢していると、膀胱炎や前立腺炎を起こしやすくなります。

また、水分は十分摂るべきです。つまり、適切な水分補給を心掛けることです。これは、尿量を増やして定期的に膀胱内の細菌を洗い流すと共に、身体の水分量を保つためです。

さらには、利尿作用のあるカフェインやアルコールの摂取量に気を付けて、余計な刺激をしないことも大切です。

それにしても、残尿感に痛みが伴う時などは、泌尿器科を受診するのが良い場合もあります。しかし、女性は特に、「恥ずかしい。」と思って躊躇するかも知れません。そんな時は婦人科に相談することも出来ます。

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