大腸がんは、以前は日本人には少ないがんだったのですが近年、食生活が欧米化してきたことにより患者数が大幅に増加しています。男女比では6:4と男性の方が多くかかる病気です。
大腸には、腸内に運ばれてきた食べ物の栄養分と水分を吸収して、不要なものを排せつする働きがあります。大腸は「盲腸」「結腸」「S状結腸」「直腸」の4つの部位に大別されます。大腸がんは主に結腸かS状結腸に発生します。
大腸がんの患者は50代以上の人に多く、年齢が上がるほど患者数は増加傾向にあります。大腸がんは早期発見・早期治療が出来れば80%程度は完治すると言われています。しかしステージが進むごとに治癒率は下がってしまいます。
そのため、40代以上の人は1年に1回は検査を実施することが推奨されています。
スポンサードリンク大腸がんを手術で切除することで頻尿の症状が引き起こされるケースがあります。肛門に近い位置にある直腸の下部にがんが発生すると、がん組織と一緒に骨盤壁のリンパ節を切除しなければならない場合があります。
切除手術の際に、排尿機能にかかわる末梢神経を傷つけてしまうことがあるのですが、これがきっかけで頻尿などの症状が起こることがあるようです。
また、大腸がんはとても転移しやすいがんであるといわれています。進行すると徐々に浸潤して周辺の臓器に広がっていくのですが、膀胱へ浸潤してしまうと頻尿や排尿障害などの症状が現れるケースもあります。
また、大腸がんの症状として慢性的な便秘があります。便秘になると腸内に便やガスが溜まり膨らんでしまいます。膨らんだ腸が膀胱を圧迫することで頻尿になる場合もあるようです。
大腸がんの症状として代表的なものは血便です。赤黒い色をした粘り気のある血液が便に付着している場合は大腸がんを疑うべきでしょう。なお、痔の場合も血便が出るケースがありますが、鮮やかな赤い色の血液で、質感もサラッとしています。
他には腹痛や腹部膨満感などの症状が出たり、便秘と下痢を繰り返したりすることもあります。しかし、大腸がんは症状の出にくいがんであり、自覚症状が出る頃には進行している場合が少なくありません。
定期的に健康診断を受診して、早期発見・早期治療を目指すことが大切です。
大腸がんの治療に際してはPETやCT検査などで、がんの大きさや個数などを調べます。そのうえで手術が出来ると判断された場合は、がん組織を切除します。
患者が高齢者などの場合、体力的な問題等で手術が難しいケースでは、抗がん剤や放射線治療が行われます。
大腸がんの予防で大切なのが、適度な運動をすることです。ほとんど運動をしない人は、日常的に運動をする人と比較すると、大腸がんにかかるリスクが2倍になると言われています。
また、内臓脂肪の量が増え過ぎないようにすることも大切です。大腸がんにかかった人の多くは適正体重を超えていて、内臓脂肪の量も多いということがわかっています。
また、日光を浴びると体内でビタミンDが生成されるのですが、これが大腸がんの予防に効果があるという研究結果もあるようです。ただし、紫外線の浴び過ぎは身体に様々な悪影響がありますので注意が必要です。
また、大腸がんの予防には食生活に気を付けることも重要です。動物性の脂肪やハムやソーセージなどの加工食品を多く摂取すると大腸がんにかかるリスクが高まります。
野菜や魚を中心に、カルシウムやビタミンD、食物繊維などを豊富に摂取することが大切です。
また、喫煙やアルコールの過剰摂取を控えることも重要です。肥満体質の人は運動や食事制限で体重を減らすことも大腸がん予防には有効です。